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美琴「あんたのこと嫌い」 上条「なん……だと…?」 その2  2010.09.18(Sat)

※その2です

その1



336 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 12:40:28.28 ID:+6YbMGV50

保守してくれた人たち、ありがとう。再開する。 >>292から
______________________________________________


上条は全てを話した。黒子の前で嘘をつく理由が無いからだ。

黒子は相槌を打ちながら真剣に聞いてくれた。


一通り聞き終わると黒子は立ち上がり、

「話はよく分かりました。つまり上条さんは禁書ちゃんと
 仲直りがしたいというわけですのね」

「ああ。でも中々機嫌を直してくれなくてさ」

「同棲しているだから喧嘩することはよくあるでしょう?
 その時はどうやって仲直りしてますの?」

「そうだな……」

上条が顎に手をあてる。





338 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 12:44:35.64 ID:+6YbMGV50


「あいつは食べるのが好きだから……おいしいものを
 作ってやったら喜ぶかも」

「それですわ。では、さっそく食材を買いに行きましょう」

黒子は上条の手を引いて歩き出す。


「え? え? まさか…手伝ってくれるのか?」

「もちろんですわ。わたくし、困ってる人を見たら
 助ける性質ですの。あなたのようにね」


黒子がウインクしたので、上条はドキッとしてしまった。


339 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 12:48:14.18 ID:+6YbMGV50


「おそいんだよとうまぁ!! もうお腹すいて死にそうなんだよ!!」

帰宅後、開口一番に怒声をあびせる。インデックスは怒っていた。

「こらこら。居候ちゃん。あなたが怒るのもわかるけど、
 普段から骨を追っている上条さんの苦労も少しは考えなさいな」

買い物袋を持った黒子がたしなめる。


「え……だれ。このひと…。もしかしてとうまの浮気相手?」


インデックスが眉間にしわを寄せるが、黒子は冷静だった。


「わたくしは上条さんの友達ですの。はじめまして。白井黒子と申します」

「え…? えっと……インデックスって呼んでほしいんだよ。よろしく…」

黒子が優雅にお辞儀したので、インデックスが慌ててしまった。


340 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 12:52:28.97 ID:+6YbMGV50


だがすぐに不機嫌になる。

「ちょっと、どういうこと! また別の女を連れてくるなんて節操がないんだよ!!」

彼女の怒りは当然だった。上条は久しぶりにインデックスと
会話できることをうれしく思いながら話した。

「いや。おまえにおいしいものを食べさせてあげようと思ってさ。
 白井って料理が得意らしいぞ。それに今日、すげえ食材を買ってきたから
 きっと気に入ると思うぞ」

「……ふーん。おいしいものってどんな?」

「高級和製ステーキ肉」

「!?」

インデックスは気絶した。


それからしばらくして…


341 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 12:56:08.41 ID:+6YbMGV50


「できましたの」


テーブルに用意されたのはステーキ定食。
肉の乗った皿にはサラダとポテトが添えられている。さらに専用のたれまで。

ご飯と味噌汁はごく普通だが、ステーキの存在感が凄まじい。
むしろ乗せられている皿がしょぼいほどだ。

「「い、いただきます」」 「召し上がれ」

上条と禁書は慎重にステーキ肉を食べる。

口に入れた瞬間に漂う風味と触感は最高だった。
まず、一口噛んだだけで普通の肉と弾力が違うのが分かる。
さらに専用のたれと肉汁が合わさって絶妙の味をかもし出している。

「……」

上条たちは無言で食べていた。普段のもやし炒めなどとは比べ物に
ならないセレブの味に絶句してしまったのだ。


342 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 13:04:06.56 ID:+6YbMGV50


落ち着いているのはそのセレブの黒子だけだった。

「禁書さん。お口にソースがついてますのよ」

ナプキンで禁書の口元を丁寧に拭いてやる。

食事中の黒子は姿勢をピンと正し、ナイフとフォークを
使いこなして粛々とステーキを食べていた。

(さ、さすがはお嬢様だぜ。住んでいる世界が違うな…)

上条がそう思うのも無理はなかった。
椀に乗せられたご飯と味噌汁があって幸いだった。
もしパンやスープなど出されたら、完全な洋食になりそうだった。

(おいしいんだよ…こんなおいしいもの食べたことないんだよ…)

禁書は密かにこの料理を絶賛していた。
黒子が家に押しかけてきたのは腹が立ったが、こんな
豪華なものをご馳走されては文句は言えない。


343 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 13:08:07.55 ID:+6YbMGV50

「禁書目録ちゃん。私のお肉を少し分けて差し上げますわ。
 本当はマナー違反ですけど。どうぞ召し上がれ。あーん」

「あーん」

禁書が黒子が差し出したフォークに噛り付く。

黒子は早めに食べ終えて暇そうにしていたインデックスに気を利かせたのだ。


「ところで、当麻様」 と黒子。

「な、なんだい?」

上条はつい緊張してしまった。

「明日のご予定は空いてます?
 もし良ろしければ、わたくしとデートしませんか」

「デート? ああ。もちろんオッケーだよ」

断る理由は無かった。今日は夕食まで黒子に世話になったし、
好意を向けてくれる女の子を無下にすることなどできない。

その後も上条たちは恐縮しつつ、その日の夕食を終えた。
黒子は片づけをした後すぐに帰った。


344 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 13:13:00.13 ID:+6YbMGV50


そして約束の休日。

上条は公園の自販機の前で叫んでいた。

「前から思ってたけどさ! この自販機で販売されてる飲み物って
 おかしくないですか!? 何このイチゴおでんって!?」

喉が渇いたので珍しくジュースを買おうと思ったのだが、
そのあまりのふざけたラインナップにブチ切れたのだ。

「カツサンドドリンクとか! ガラナ青汁とか何これええ!?
 誰得だよ!! 消費者を馬鹿にしてるとしか思えません」

むしゃくしゃしたので、自販にワンパン食らわそうとしたが、
通りすがりの女子中学生が声をかけてきた。

「そうかしら? 意外といけるわよ? カツサンドドリンク」

「なぬ?! お、おぬしは!?」

「久しぶりね。当麻」

女子中学生は常磐台中学の制服に身を包んでおり、髪型は
茶髪のショートカット。爽やかに微笑むその美少女は
間違いなく御坂美琴だったのだが……


345 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 13:18:01.49 ID:+6YbMGV50


「うわあああああああ!?」

上条は情けない声を発しながら尻餅をついてしまった。

一見するとただの奇行だが、もちろん理由はある。


「うふ。そんなに驚いてどうしたの?」

上条に手を貸して起こしてくれる美琴は、この上ないほど気品に満ち溢れている。

香水でもつけているのか、いい匂いが漂っていた。


(え…? だれ? この可愛い女の子?)

上条の顔はなぜかシマウマになってしまった。

優しそうに微笑む美琴からは邪気が全く感じられない。
未知の生物との一時接触に等しいこの興奮は、
どう表現したらいいか分からないほどだった。


346 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 13:22:25.16 ID:+6YbMGV50


「当麻。この後暇かしら? 良かったら一緒にかいも…」

美琴が言い終わる前に、

「当麻様ぁ~~。お待たせしてすみませんの!」

可憐なるジャッジメント・黒子嬢がツインテールを揺らしながら走っている。


「はぁ……はぁ……ちょっと野暮用が入って遅くなってしまいました」

黒子が息を切らしている。それだけ急いでいたのだ。

なお、黒子とのデートの待ち合わせ場所がこの公園である。


「あら、黒子じゃない。あんたも当麻に用があるの?」

美琴が変わらぬ笑顔で話しかける。

「ええ。わたくし、当麻様とデートの約束をしておりますの」

対抗するように黒子も笑顔。


347 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 13:26:36.69 ID:+6YbMGV50


「へえ。そうなんだぁ。ちなみにどこへ行くの?」

「ショッピングモールまで」

「それなら私も一緒に行ってももいいかな? 
 ちょっと買い物する用事があるんだけど」

「それは遠慮していただけませんか。わたくしは
 大好きな当麻様と二人きりで行きたいので」


黒子は強気な姿勢だ。美琴は苛立ち、髪の毛にわずかな電流が流れる。


「黒子ってさ。もしかして当麻と付き合ってるの?」

「いいえ。まだ友達の関係ですが。かなり親密ですわよ。
 先日は食事をご一緒させていただきました」

「私だって何度もあるよ。てか私は当麻の彼女なんだけど。
 そうだよね? 当麻」

妙な迫力の美琴が尋ねる。


349 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 13:31:44.91 ID:+6YbMGV50


「ほえ?」

上条は突然話を振られたので驚き、間抜けな反応しか返せない。


ここで黒子が間髪いれずに口を挟む。


「とにかく! 当麻様はわたくしと買い物に行く約束を
 しておりますの。それではごきげんよう」

黒子が強引に上条の手を引っ張るが、美琴は食い下がる。

「当麻ぁ。今日は私と一緒にお出かけしようよ」

反対側の手を握る美琴。


(ちょ……これ何年前のギャルゲーですか?
 二人とも目が全く笑ってないよ!? 俺びびるよ? 泣くよ?)

シマ条さんは心の中で盛大に突っ込みを入れたが、
取り急ぎこの状況の改善に努めなければならない。


351 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 13:35:22.49 ID:+6YbMGV50


「よしよし! 分かったよ。ここは間を取って皆で買い物に行こうじゃないか!! 
 それなら平和ですむ。うん。そうしよう」

シマウマのような顔をしている彼だが、基本的には平和主義者だ。

やむをえない事態には武力を振るうが、犠牲が出ない方法が
あるのならそれに越したことは無い。


「仕方ありませんね。当麻様がそうおっしゃるのでしたら…」

「さすが当麻ね。話が分かるわ」

唇を尖らす黒子と、上機嫌な美琴が対照的だった。


352 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 13:40:06.60 ID:+6YbMGV50


ちなみに、なぜここに美琴がいるのかというと、話は数日前にさかのぼる。
監禁されていた美琴は見回りに来た寮監に発見され、拘束を解かれた。

そして『過激なSMプレイは教育に悪いからほどほどにするように』と
なぜか美琴が説教を喰らうことになった。さらに食堂の清掃を命じられ、
泣きながらそれをやり通したわけだが、美琴の内面で何かが目覚めようとしていた。


掃除を終えると、美琴はある種の悟りを開いた。


黒子に虐待され、数日間に及ぶ断食と拷問を経て、
頭の中がすっきりしてしまった。つまり今まで持っていた邪な考えが
消えうせ、真人間に生まれ変わろうとしていた。


過去、天邪鬼な性格が災いして上条につらく接してしまったが、
今では自分の素直な気持ちを伝えること出来る。もう二度と
あの時の過ちは犯さないと誓った。


そして冒頭の自販のシーンへと進むわけである。


354 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 13:44:10.98 ID:+6YbMGV50


一同はショッピングモールの洋服売り場に来ていた。


「このお洋服はわたしに似合いますでしょうか。当麻様」

試着室でノンスリーブのワンピースを着た黒子。
シックなデザインが彼女の雰囲気にマッチしている。
細い手足がすらりと伸びて健康的だ。

上条を熱っぽい目で見ながら問いかけていた。


「ああ…いいな。清楚な感じで白井にすごく似合ってるんじゃないか」

上条は顔を赤くしながらそう答えた。
女の子の服選びをするのは初めてだったので緊張していた。


「うふふ。遠慮なく黒子と呼んで下さいまし。
 お姉さまには下の名前で呼んでらっしゃるのに……」

黒子がそう言って微笑むが、なぜか上条の背筋が凍った。


355 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 14:28:56.89 ID:7WK1Md9K0

追い付いた、いいよこの展開
美琴が次第にイライラして「こんなの性に合わねえ!!」的な展開希望


356 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 14:30:18.45 ID:4M1fpPoF0

>>355
ちょっと黙って


361 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 14:57:10.72 ID:+6YbMGV50

バイバイさるさん喰らってた。歯がゆい。もう一度再開。
また規制されたら待たせてしまうが、スマン。 

_______________________________________________

「とうまぁ! こっちで私と一緒にパジャマを選んでよ」

数メートル離れたところから美琴の声。

「おう」

上条はそちらへ近寄る。

「このパジャマのデザイン、どうかな。子供っぽくないよね?」

「うん。割とシンプルな感じだし、悪くないかな」

「うふふ。そっかぁ。それじゃあ試着してくるから待っててね」

嬉々として試着室へ消える美琴。


362 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 15:04:44.01 ID:+6YbMGV50


まもなくしてカーテンを開き、パジャマ姿の美琴が

「どうかな…? 似合ってる?」

夏物のパジャマを身に着けた美琴が恥ずかしそうに足をもじもじさせていた。

薄い生地が彼女の身体のラインを強調させ
て妙に色っぽく、またゲコ太のような
子供っぽいプリントは一切存在しないその柄に上条は……


(ふぉおお……ふぅう。俺は人間だ)


シマウマキャンセラー(略してシマキャン)を発動させて落ち着く。


「なんていうか。美琴らしくて素敵だと思う。
 俺はそのパジャマ、好きだよ」

「本当? うれしいわ。これ買うことにするわね」


364 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 15:10:42.70 ID:+6YbMGV50


レジに足を運ぶ美琴だが、上条とすれ違う際に耳元でそっと…


「私のパジャマ姿を見て興奮したでしょ?
 黒子に飽きたら、いつでも私に乗り換えてね」


人を惑わすようなことをつぶやくのだった…。


そして華麗にウインクして上条の視界から去っていく。


(あれが本当に御坂美琴なのか……?
 やばい…マジで惚れそうなんだけど…)

上条は口を開けて立ち尽くした。


そんな感じで二人の淑女に連れまわされ、
モール内のあちこちを回った上条である。

やがてお昼時になったのでレストラン街へ足を運ぶ。


365 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 15:17:26.16 ID:+6YbMGV50


訪れたのは安価なファミリーレストランだ。
ドリンクバー付きのイタリアンレストランのチェーン店。


「三名様でよろしいですか?」

ウエイトレスに四人用のテーブルへ案内された。

上条の対面に黒子と美琴が座る。


すると、さっそく口論が始まった。先端を切るのは黒子。



「お姉さまがこんなに執念深いとは知りませんでしたわ」

「……なんのことかな?」

「当麻様に対してです。実質的にあたなは一度振られたような
 ものでしょうに。なぜまだ付きまとうのです?」


367 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 15:26:11.94 ID:+6YbMGV50

振られた、という単語に美琴の眉がわずかに動く。

「本当にそうかしら? まだ当麻の口から直接聞いてないから
 分からないな。人の感情って揺れ動くものよ。まして私達は
 まだ学生だしね。たった一日夕飯を共にしただけじゃ
 すぐ飽きられるんじゃない?」


黒子が涼しい顔で冷水を飲んだ後、会話の応酬が開始される。

「付き合った時間はともかく、人付き合いをするには礼節が必要ですの。
 当麻様の家にいらっしゃるあの可愛らしい居候さんは、私のことを
 とても気に入ってくれましたのよ。もっとも、禁書さんが
 お姉さまに対してどうゆう感情を抱いているかは知りませんけど…」

「聞いた話によると、昨晩はずいぶん高いご馳走を振舞ったそうじゃない。
 強引に恩の押し売りをするのが礼節といえるのかしら?
 そんなのお金にモノをいわせればどうにでもなるじゃない」

「お姉さまがどこでその情報を仕入れたのかはあえて聞かないで
 おきますね。…確かに私は多額の出費をしましたが、
 暴力で人の心を支配するよりはずっとましだと思いますよ」


ここで両者は無言になり、場の空気が凍りつく。


368 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 15:33:12.90 ID:+6YbMGV50


「ふうん。言ってくれるわね?」

「お姉さまこそ」


わずかな沈黙をはさみ、どちらからともなく笑い始める。


「うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」

「ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」



ファミレスは魔界化した。


(ちょっと、なにこれええ!?)

上条は先生に説教をされている生徒のように
うつむき、縮こまるしかなかった。


370 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 15:40:05.46 ID:+6YbMGV50


「お待たせいたしました」

ここでウエイトレスが恭しく料理を配膳する。
注文したメニューがすぐにやってきたのは
客足が少ないので店が暇だからだ。


「ご、ごゆっくりどうぞ」

従業員は怖気づいたのか、ご注文は以上でよろしいでしょうか、
というお決まりのセリフすら省いて逃げるように去ってしまった。


「当麻。私のドリアを食べてみない?」

と美琴の声。


(ほら! やっぱりこのパターンだ!)

予感が的中した上条の背中に冷や汗が流れた。


372 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 15:42:38.00 ID:+6YbMGV50


美琴は上条の返事を待たずにドリアをすくい、
スプーンを差し出してくる。


「当麻様。こっちのピラフはいかがですか?」

同じように黒子のスプーンも伸ばされる。

二人のお嬢様はテーブルから身を乗り出して当麻に決断を迫っていた。



(はい……どっちを選んでも死亡フラグの完成です!)

上条は今にも泣きたかった。

例えるなら、怒れる二人の淑女と一匹の哀れなシマウマの図である。

彼は、『誰もが望むハッピーエンド』を望む症候群に罹っている男だ。
二者択一のこの状況ほど悲しいものはない。


373 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 15:46:59.54 ID:+6YbMGV50


「お姉さま。あなたがしつこいから当麻が困ってますわよ」

「黒子こそ。私に対抗してるのが見え見えじゃない?」


シマ条の眼前の二人は火花を散らしている。

「おーい! それなら両方交互に食べるってことでどうだ!?
 それなら文句無いだろ?」

「……」


上条の提案に不満そうな二人だったが、最終的には納得してくれた。

緊張感のある食事は異常に長く感じられた。

レストランを出た後も色々な場所を訪れたが、
そのたびに美琴と黒子は言い争いをしていたので
上条の神経が極限まですり減らされた。

二人はまるで噴火寸前の火山のようだった。

__________________________________________________

ふぅ。とりあえずここまで。また書き溜め作業に戻るぞ。
物語的には黒子をプッシュしたいと思ってる。


374 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 15:48:28.02 ID:yN35DDzS0

3Pでいいよ
誰もが望むハッピーエンドにしようぜ


395 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 20:59:59.36 ID:+6YbMGV50

みんな保守ありがとう。ちょこっと再開。>>373から

_______________________________________________


そして日が暮れて開放され、上条は家に帰った。

「ただいま。インデックス」

「…」

だが、いつもの返事は帰ってこなかった。


「あ、寝ていたのか」

禁書目録はベッドの上ですやすやと眠っていた。

無防備な顔で寝息を立てているその姿は、
健全な男子高校生の性欲を刺激する。

(っふぉお。っと、俺は人間…)

即シマキャン発動である。


399 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 21:04:32.18 ID:+6YbMGV50

上条は座禅を組んで10分ほど瞑想した後、
昨日買ってきた食材で適当な料理を作って禁書に振舞った。



日付が変わって翌日。


「ふぁああ。だり」

朝のホームルーム前の時間。
上条は机の上でだらけていた。

昨日は休日だというのに精神的に疲れ果ててしまった。


「カミやん。また女の子とフラグを立てたのかにゃー?
 女関係で苦労してそうな顔しるぜよ」

金髪のグラサン野郎が適確な指摘をしてくる。


400 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 21:10:26.16 ID:+6YbMGV50


「土御門。誰に聞いたのか知らねえけど、
 複数の女の子に迫られるのは楽じゃないぞ?」


ここで青ピ登場。

「はは。カミやんは無意識のうちに女の子と仲良くなるから
 罪なんやで。最近では常磐台の生徒さんの一部がカミやんの
 ファンになってるって噂やん。腹が立つからいっぺん死んでみては?」

「それこそ悪い冗談だ。俺がお嬢様たちに好かれるわけないだろ」

「そうかなぁ? 昨日、中学生二人と楽しそうにショッピングしてる
 カミやんを見た人がおるんやけど」

「……たぶん気のせいだよ。別人だ」


上条は適当に誤魔化した。


402 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 21:16:10.11 ID:+6YbMGV50


そして授業を適当にやり過ごし、帰宅する。

今日は補修があったのでいつもより遅くなってしまった。
成績が悪いのは自業自得なのだが、それでもストレスは溜まる。


(あー。今日は夕食作るのだりぃな。
 誰か変わりに作ってくれればありがたいんだが…)

と考えながら玄関を開けると、

「おかえりなさいませ。当麻様」

「…!?」


上条は激しく混乱し、扉を閉めてしまった。


405 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 21:21:20.96 ID:+6YbMGV50


「ふぅ」

深呼吸して落ち着き、もう一度扉を開ける。


「どうしたんですの、当麻様?」

「……!?」

やはり動揺してしまうわけだが、何度目をこすっても
目の前にいるのは白井黒子だった。なぜかエプロンをしてる。


「ほら、あなたも挨拶しなさいな」

黒子に促され、禁書も当麻を迎える。

「おかえりなさいなんだよ」

禁書に口を聞いてもらえただけで上条は飛び上がりたいほど
うれしいのだが、今はシマウマになっている場合ではない。


407 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 21:26:15.76 ID:+6YbMGV50


「な、なななんああ…なぜ白井がここに!?」

「今日は非番の日ですので、当麻様にご飯を作りにきましたの」

黒子はエプロン姿だった。

上条はの気持ちはうれしさ半分と驚き半分だった。


「そうかそうか。それはありがたいな…」

「ご飯ができるまでもう少し時間がかかりますので、
 先にお風呂にいたしますか?」

「…風呂できてんの?」

「はい。事前に準備しておきましたの」


にこにこと笑っている黒子。

見ているだけで癒されてしまうほどだった。


408 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 21:31:09.14 ID:+6YbMGV50


上条はお言葉に甘えて汗を流すことにした。

着替えをしながら、

(黒子はどうして俺に尽くしてくれるんだろう?)

これは上条がずっと疑問に思っていたことだが、
今は考えても分からないので湯船につかる。


「はぁ……」

ぼーっとしながらため息をつく。

もくもくと湯気が立ち上がり、視界を曇らせる。
お湯の温度はちょうどよくて心地よかった。


(誰もが望むハッピーエンドか……)

浴槽に背中をあずけながら両手を広げ、天井をあおぐ。


409 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 21:37:18.46 ID:+6YbMGV50


(そんなもの、ありえないって分かってる。
 俺は子供のようにピュアだ。まだそんなことを信じて生きている…)


風呂は上条が一人きりになれる貴重な場所だった。

他の場所だと居候のインデックスがいるからだ。
ここは疲れを癒すだけではなく、考え事をする場所でもあるのだ。


(土御門たちの言葉を借りれば、俺はたくさんの女の子たちと
 フラグを立てまくっている鬼畜野郎らしい……。
 だが、俺は意識してやったわけじゃねえ)


ゆらゆらと揺れる水面を眺める。

黒子が気を利かせてくれたのか、入浴剤が入っている。
心地よい香りのおかげで気持ちがやすらぐのだった。


410 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 21:43:06.45 ID:+6YbMGV50



(だが、女の子たちに好かれているのは事実だ。
 いつかは誰か一人を選ばなければならないのだろうか……)


そこまで考えた後、贅沢ものにはもったいないほどの
例のセリフを吐こうとしたが、

「お背中を流しますの」

「!?」

黒子が入ってきた。

衣服は着ているので邪な考えはないのが分かる。

だが、上条は大いに困惑した。


411 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 21:48:04.95 ID:+6YbMGV50


「そんなに驚かないで下さいまし」

「はわあわわわ」

「そんなに脅えた顔をされるとショックですわ。
 エッチなことは考えてませんから安心して下さいな」

「ほ、ほおおお?」


上条は呂律が回らなくなったが、
成り行きで黒子の言いなりになった。


黒子はナイロンタオルにボディソープをつけて泡立てる。

「殿方の背中って大きいですわ」

そんなテンプレなセリフをつぶやきながら丁寧に洗ってくれる。


414 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 21:53:48.86 ID:+6YbMGV50


(はは。まるで夫婦のような関係になってしまったな……)

上条は口には出さないが心の中でそう思った。


しばらくして落ち着きを取り戻したので、
気になっていたことを黒子に聞いてみることにした。

「なあ黒子……。 おまえが俺に優しくしてくれるのは…」

そこまで言ったところで黒子は全てを察したのか、

「別にお姉さまに対抗しようとしたわけではありませんの。
 わたくしは……上条さんを慕っていますわ」


黒子は手を休めて語り始めた。


415 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 22:09:22.41 ID:H4eXPQ9H0

いや、手は休めないでくれ
もうちょっとでイケそうなんだ


416 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 22:10:21.25 ID:/bGcZlZi0

だれがうまいことを


423 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 23:02:38.42 ID:+6YbMGV50

またしてもさるさん規制喰らった。今日2回目だからさすがに腹立った。
待たせてしまってすまない。今日投下する分は残り少ないけど許して

>>420 基本的に書き込みの内容で機嫌は損ねませんから存分にwktkしてください。
     
_______________________________________________________
              
内容はこうだ。

以前は美琴お姉さまを追いかけるのに夢中だったが、ある日を
境に豹変した美琴に虐待され、その忠誠心を完全に失った。

あの想像を絶する苦痛により極限までストレスが
溜まり、黒子の内面を変えてしまった。

「お姉さまに殴られたときはショックでされるがままでしたけど、
 きちんと復讐しましたわ。それはもうたっぷりと…」

黒子はテレポーターだ。能力者である以上、精神的な苦痛で
集中力が途切れると支障が出る。だが、いつまでもやられるだけ
ではなかった。ジャッジメントとして緊急時の訓練を受けているのだ。


424 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 23:08:55.48 ID:+6YbMGV50


「次第にお姉さまのことを敵と認識するようになりましたの。
 今まで大切にしていたモノが憎しみの対象に変わるのは滑稽でしたわ」

そして一通り仕返しをした後、黒子の頭は真っ白になった。

殺意の赴くままに美琴を監禁して痛めつけたが、残るのは空しさだけ。
あれだけ必死でムチを握っていた自分の手がガラクタのように思えた。


「しばらく誰とも話さない日々が続きました。そしてある日、
 私は生まれ変わりました。同性愛者を卒業して真人間になりましたの」

昔から群れることを嫌い、周囲の女の子と関わろうとしなかったが、
次第にその考えが変わった。

女の子達は噂話が好きだ。女子校ともなれば自然と学外の男子の
噂話が飛び交う。彼女達は素敵な出会いに飢えているのだ。


427 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 23:14:46.27 ID:+6YbMGV50


「当麻様の噂話をする子もいましたわ。
 あなたが以前助けた常磐台の女子生徒を覚えてらっしゃいますか? 
 あの方が当麻様の武勇伝を語っておられましたの」

「? ああ。あの子のことか」

上条は最初誰のことか分からなかったが、やがて合点がいった。
彼は人助けを日常的にやっているので、いちいち助けた人を覚えていないのだ


「お恥ずかしいことなのですが、わたくし、まだ殿方とお付き合いを
 したことがありませんの。当麻様のお話を聞いてすごく興味を持ちました」

さらに付け足すと、黒子はジャッジメントとして働いているので
正義感は人一倍強い。そして同様に正義を貫こうとする上条の姿に憧れを持ったらしい。


428 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 23:20:55.66 ID:+6YbMGV50


「でもわたくしと当麻様はまだ知り合ったばかり。
 きちんとお話すらしたことがない仲でしたわ」

そこで上条と親睦を深めるため、禁書を怒らせて
困っていた上条の悩み相談に乗ったわけだ。


だが、上条には負に落ちない点があった。


「俺は今でも他の女の子達と仲良くしているわけだが、
 それでもいいのか?」

「別に気にしません。わたくしは殿方を自分に縛りつけようとは
 思いませんわ。力で屈服させても心は離れていきます。それよりも
 殿方に尽くして振り向かせる努力をするよう心がけておりますの」


429 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 23:26:56.22 ID:+6YbMGV50


少しの沈黙の後、

「……例えば俺が禁書と仲良くしても嫉妬しないのか?」

「しないといえば嘘になりますけど、怒ったりはしませんわ。
 最終的に当麻様に選んでもらえればそれでいいですの」


そうして黒子は話を切り上げ、上条の背中をシャワーで流して去っていった。


(やべえ……本物の淑女だぞあいつは……。
 ノーマルな黒子にこれほどの破壊力があるとは……)

風呂場から出たとき、上条の顔は色々な意味で真っ赤になっていた。
美琴とは全く異なる魅力を持つ黒子に、本気で惚れそうになっていたのだ。

_____________________________________________

何度も規制喰らってごめんな。今日はここまで。また書き溜めする。
内容予告すると黒子とムフフなシーンを用意する。


463 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 13:38:50.13 ID:8OE2ub7o0

みんなの保守と支援に感謝。 >>429の続きから投稿する。今はさる規制が怖い。
________________________________________________________________


食卓には、すでに夕飯が並べられていた。

「すっごくおしかったよ!! くろこって料理すごく上手だね!!」

満面の笑みの禁書が、ちょうどオムライスを食べ終えたところだった。
上条が風呂からあがるまで我慢できなかったので、一足先に
食事にありついたのだ。


「うふふ。そう喜んでもらえると作りがいがありますわ。
 あら…お口が汚れてますのよ」

黒子は余裕のある態度で禁書の口元についたケチャップを拭いていた。

当麻の姿を確認すると、

「当麻様、お待ちしておりましたわ。
 今日はオムライスを作ってみましたの」


466 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 13:43:59.88 ID:8OE2ub7o0


テーブルにはシンプルなオムライスとコンソメスープ。
それとサラダを少々。

前回の高級素材から一転して素朴なメニュー。
上流の食事に不慣れな上条達に気を使ってくれたのだ。


湯上りでぽかぽかしている上条は、黒子のツインテールを
見ていると頭がふらふらしてきてしまい、

「あ…。当麻さま……?」

その細い身体を抱きしめてしまった。


(と、当麻様…。まだ食事の前ですのに…)

黒子は心臓の鼓動が早くなるのを感じていた。

力強い男の腕に抱き寄せられたのは初めてだった。
上条の身体は見た以上に筋肉質でごつごつしていた。


467 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 13:48:12.12 ID:yQvsaULU0

待った甲斐があったというもの!


468 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 13:49:44.36 ID:8OE2ub7o0


(いけませんわ……わたくしったら……体が熱くなって……
 ……黒子は、はしたない子ですわ……)

そう思いつつも、黒子は離れることが出来なかった。
おもむろに上条の背中に手を回そうとしたが……


「ふがー。ぐがー」

場の雰囲気をぶち壊すかのように、満腹の禁書ちゃんが
口を開けて寝ていた。食休みのようだ。
あまりにだらしない顔をしているので色気のかけらもない。


黒子が息を軽く吸った後、小声でつぶやいた。

「オ、オムライスが冷めてしまいますわ…」

「ああ、そうだな…」

短い言葉を交わし、上条は抱擁を解いて食卓に着いた。


471 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 13:54:35.60 ID:8OE2ub7o0


黒子の作った料理は家庭的なものだが十分な出来だった。

オムライスには正しい分量で配分された材料がみごとに
マッチしており、一口食べただけで黒子の技量が分かるほどだ。


禁書が寝ているのをいいことに二人は隣に座っていたが、
先程の抱擁のせいで妙な雰囲気になってしまい、しばらく無言が続いた。


気まずくなった上条がテレビをつけると、ちょどニュースの時間だった。


男性キャスターがはきはきと読み上げる。

『本日午後、魔術師を名乗る外国籍の男性・ステイル氏が女子中学生に
 わいせつな行為を働いたとして逮捕されました。ステイル氏は、女子中学生が
 自身の大好きな禁書目録という少女に似ていたため、反抗に及んだと供述しており…』


472 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 14:00:46.55 ID:mANGbKBP0

ステイルさんじゅうよんさいさん何してんスかwwwww


473 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 14:01:14.65 ID:Ill7iz1z0

14歳なのに実名報道だと・・・?


476 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 14:10:50.18 ID:/EnNKy7y0


黒子が感想をぼやく。

「さ、最近は痴漢が多いですわね。特に教職員などの公務員の方々が目立ちます」

「そ、そうだな。まったく、これだから大人って奴は…。 
 黒子も狙われないように気をつけろよ」

「……私を心配してくれますの?」


二人は目をあわす。


「もちろんだよ。だって黒子は……か、可愛いからな!」

「…!」


言い終わった後に真っ赤になる上条。それは黒子も同様だった。


両者の間で時間が止まってしまった。


477 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 14:14:25.86 ID:/EnNKy7y0


キャスターは淡々と罪状を読み上げ続ける。

『また、ステイル氏は「自分は14歳だからロリコンではない。あんまり僕を
 舐めてると魔術を使うぞ」などと発言しており、警察ではステイル氏が
 容疑から逃れるために年齢を詐称している可能性が高いとして、
 身元を調べることに全力を注いでいます』



「……」

ロリコンティウスの異名を誇るステイルが大変なことになっている頃、
黒子は上条の膝の上に乗っていた。


「黒子の髪、きれいだな」

「褒められると照れてしまいますわ。
 毎日お手入れしてますから。気がすむまで触ってくださいまし」

黒子は髪の毛を下ろしてた。
ウェーブがかかった髪が肩まで垂れている。


478 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 14:19:50.16 ID:/EnNKy7y0

「……」

二人は静かだった。それだけ緊張していたのだ。

髪も身体の一部というが、上条は黒子の茶色い髪を触るだけで
信じられないほどドキドキしていた。

床でぐーすか寝ている禁書がうらやましいほどだ。


なお、上条はシマキャン発動済みだ。でなければ大変なことになっている。
鬼畜を卒業して純情になると誓ったので、年相応のピュアな状態なのだ。


沈黙に耐えられなくなりそうなので、上条が口を開く。

「もしかして、髪を下ろした方が似合うんじゃないか?
 いつもより大人っぽくて…その……可愛いかな…」

「ま、まあ。それでしたら明日からこの髪型にしようかしら!」

「……」

「……」

またしても静寂に包まれる。


481 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 14:24:22.98 ID:/EnNKy7y0



『とうまぁ!! 私のおかずが少ないんだよ!!』


「!?」



突然聞こえたインデックスの大声で飛び上がりそうになる。


『ふがー ふごごごごー』

彼女は大の字で寝ている。今叫んだのは寝言のようだ。



「と、とうまさま…その…手が…」

黒子が顔を赤らめているのは、上条の手が胸を触っていたからだった。
禁書の寝言でびっくりしたので思わず触ってしまったのだ。

彼の名誉のために言っておけば、これは不慮の事故である。


482 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 14:28:54.17 ID:/EnNKy7y0


「あ、悪い…わざとじゃ…」

上条が罰が悪そうな顔で手を引っ込める。


これは筆者の余談だが、この初心さはとても元鬼畜とは思えない。



「いいですわよ?」

黒子は恥ずかしそうに声を絞り出した。



「え?」

「ですから、もっと触っていいですわよ」


またしても時が止まりそうになった。


484 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 14:33:12.72 ID:/EnNKy7y0



上条は念のため確認してみた。


「本当に?」


「はい。当麻様ならいいですの。
 胸だけではなく、好きなところを触ってくださいまし」



「……」


上条のシマキャンは、もう発動しなかった。


488 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 14:37:07.57 ID:/EnNKy7y0


10分後。

『うーん… もっと食べたいんだよ…』

インデックスはまだ夢の中だ。

下品にお腹をぽりぽりかきながら歯軋りしている。



一方、上条達は椅子の上で絡み合っていた。

「あっ んん はぁ はぁ」

「できるだけ声は出すなよ。インデックスが起きたら面倒だからな」

「ん……大丈夫ですの…あの子の…飲み物に…あん……眠くなる薬を…」

「そんなこと……してたのか。お前も……悪だな?」

「それは……お互い様ですの……あっ……」


態勢は対面座位。上条の上に乗った黒子が上下に揺れ続ける。

そそり立つモノが黒子の狭い膣口で締め付けられていた。


490 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 14:42:23.91 ID:/EnNKy7y0


「く…黒子。乳首が立ってるぞ……?」

「はぁ……あん…………やん……」

黒子は上条の首に両手を回し、体重をあずけてる。

互いの吐息を鼻先で感じるほどの至近距離だ。



(俺は……本当にこれでいいのだろうか…?)


行為の最中に考え事するのは彼の悪い癖だった。

上条は、すでに美琴禁書と関係を持った。
そして今は黒子だ。真人間になったはずなのに
女の子漁りをしているのに変わりはない。


(……)

心の中に感じる、わずかな嫌悪感。


491 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 14:46:44.47 ID:/EnNKy7y0


「はぁ……すごい…ですの……当麻様の……おおきくて……」

淑女としてあるまじきことだと思いながらも、
控えめに開いた開いた黒子の口からはしたない言葉が発せられる。

「はぁ……はぁ……とうま…さまぁ……」

性の快感から生じる特有の吐息。



黒子の息は甘くてせつなくて、上条の心をかき乱す。

「黒子…!!」

ピストン運動を中断し、黒子を抱き寄せて唇を奪う。

「んんんんん……」

すると黒子の方も舌を絡めてきた。
上条が何もしなくても、黒子が巧みに舌を動かしてリードしてくれる。


492 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 14:52:24.20 ID:/EnNKy7y0


「ちゅ……ちゅう……ん……」

黒子の口の中は子供のように小さい。
重ね合わせた唇からわずかに唾液がこぼれる。

「とうまさまぁ…」

彼女は何度も何度も上条の名前を連呼する。
その声を聞くだけで頭が狂ってしまいそうな錯覚に陥る。


(俺は……)

上条はまたしても自分の世界に入った。
それは迷路のような思考の渦の中だった。


(何をしているんだろう……こんな可愛い女の子と…)

これは黒子との同意の上で行っている行為。
脅したり暴力に訴えてはいない。二人の好意の延長にあるものだ。

それが分かっていても、上条は罪の意識から逃れることはできなかった。
原因不明の毒に犯されたようなものだった。


496 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 16:01:12.47 ID:/EnNKy7y0

さる喰らってた。待たせてしまってごめん。残りあと少しだけ投下。

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「はぁああ あああん あああああ」

今度は正常位だ。

黒子の大きく開いた股の間に上条のモノが挿入されている。

「黒子……ごめんな……」

上条は彼女の腰を掴みながら激しく腰を動かす。
性的には気持ちよくなっているのだが、それほど乗り気ではない様子。
はかなげな表情で黒子と目線を合わせる。

「いいんですの……あっ……私は……うっ……
 いまだけは…あなたの……ものですわ……」

「…」


497 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 16:07:47.87 ID:/EnNKy7y0


黒子の目はとろけていて、ひたすら快楽に飢えていた。
いつまでもこんなことを続けてはいけないと判断し、
上条はピストン運動をさらに激しくした。

「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」

聞こえるのは互いの荒い息遣いだけ。

その後、まもなくして二人は絶頂を迎えた。



シャワーを浴びた黒子が帰った後、上条は死んだように眠りに落ちた。


_____________________________________________________________

よし。黒子パート終わりだ。また書き溜めに戻る。
次回予告すると憂鬱な上条が見られるかも。


498 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 16:11:05.42 ID:mANGbKBP0


うん、下条さんはしばらく悩んだ方が良いと思うわ


511 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 20:56:06.61 ID:/EnNKy7y0

保守ありがと。 憂鬱上条編が始まります。 497>>から再開
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翌日。

インデックスは早い時間に目を覚ました。

今日も日課の掃除をしなければならないのだ。

以前はグウタラな生活を送っていたが、黒子に教育された。
ただ飯食らいではみっともないから、せめて家の中で上条を
手伝うようにと、一通り洗濯や掃除の仕方を教わった。


「…!!」

インデックスの顔が引きつる。

洗濯機に入れようとした上条の上着から女の匂いがしたからだ。


515 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 21:02:13.42 ID:/EnNKy7y0

安価ミスった。 >>497から
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「……っ!!」

今すぐ怒鳴りたくなるのを我慢した。

これが黒子の匂いだと理解しているからだ。

美琴ならともかく、黒子には世話になっているので文句はいえない。
淑女たるもの、易々と取り乱してはいけないのだ。

「……」

黙々と洗濯機を操作する。その次は清掃だ。

掃除機を用意してコンセントを伸ばそうとした時、
テーブルの上に書置きがあるのを発見する。


『インデックスへ。今日は早めに学校行ってくる。
 ご飯は冷蔵庫の中に入ってるから』


516 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 21:10:17.10 ID:/EnNKy7y0


インデックスの紙を持つ手がかすかに震えていた。

確かに、今朝目覚めた時に上条はベッドの上にいなかった。
てっきり早朝の散歩でもしているのかと思ったが、そうではないらしい。


「とうま…」

つぶやきながら時計を見る。
まだ始業のチャイムが鳴るまでずいぶん余裕がある。

インデックスは、昨晩こっそりと目を覚まして
上条の顔を見たところ、彼は泣いていた。

今までに見たこともないほど悲しそうな顔をしていたので
ショックを受け、優しく抱きしめたのだった。


インデックスはしばらく立ち尽くした後、上条の
携帯に電話をかけるが、電源が切られていた。

「……はぁ」

肩を落とし、無言で掃除を続けた。


517 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 21:11:50.85 ID:1Z6H/Wys0

インデックスちゃんまじかわいい
美琴以外全員囲ってハーレムつくるべき


518 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 21:18:12.96 ID:/EnNKy7y0


その日の上条は、傷ついたシマウマを連想させた。


「……」

下を向きながらとぼとぼ歩いている。

別に行き先があるわけではない。

背後に朝日を浴びながら、学園都市の町並みを眺めていた。



「……」

それから数分ほど歩くと、いつもの公園にたどり着く。

困った時や、機嫌の悪い時はいつもここにやって来るのだ。
それは動物の習性のようなものだった。


520 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 21:26:37.28 ID:/EnNKy7y0


「よいしょっと」

ベンチに腰掛ける。


そのまま無気力の状態が続いたが、遠くから柄の悪い声が聞こえた。


『おらあああ!!』 『逃げんなよこら!?』 『離してください…』



相変わらず治安の悪い都市である。
こんな朝っぱらから不良たちが騒いでいるのだから。


「……ったく」

上条が獣のようなフォームで駆け出す。


521 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 21:32:07.49 ID:/EnNKy7y0


「ぐはぁ?」

振り向きざまに上条のタックルを食らった不良Aが飛ぶ。

「ごふ?」

同じ手順でタックルを食らい、不良Bも吹き飛ぶ。

「ふぉおお!?」

不良Cが一番飛距離があった。なぜなら…


「必殺・シマウマパンチ……!」

という名の必殺技が炸裂したからだ。

得意げな顔で技名を発音する上条だが、
そのイントネーションはアポロ(月面パンチ)にそっくりだった。


522 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 21:40:09.20 ID:/EnNKy7y0


この場所に残されたのは、
歴戦の猛者(シマウマ)と不良に襲われていた通学途中の女子生徒だけ。


「……」

仕事を終えた上条は静かにその場から離れようとするが、

「あの! せめてお礼を言わせてください」

奏でられた美しいソプラノで止められる。

「助けていただいてありがとうございました。
 粗暴な殿方に話しかけられて困っておりましたの」

それは聞き慣れたお嬢様口調だった。


上条はその生徒が常磐台中学の制服を着ていることを認識しつつ、

「気にするな。俺も苛々してたからちょうど良かっただけだよ。
 おかげで必殺技の練習にもなった。シマウマパンチ。
 略してシマパン。語呂もいいし最高だろ?」


526 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 21:48:26.49 ID:/EnNKy7y0


「シマウマ…?」

女子生徒はその単語に反応する。

「あなたはもしかして…上条当麻様ではありませんか?」

「知ってるの?」

「有名ですよ。正義を愛し、悪を打つ最強のシマウマといえば
 上条様しかおりません。上条様の名はわが校でも知れ渡ってますのよ。
 そういえば、あのジャッジメントからもお誘いがきているのでしょう?」

「はは。ま、まあね。入隊する気はないけど」


適当に答える上条だが、あまりにも変な名前で
知れ渡っていたので自殺したくなった。


528 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 21:56:09.95 ID:/EnNKy7y0


しばらく雑談をした後。

「私はもう行きますね。上条様はまだここにいるのですか?」

「今日はやる気がないからね。少し休んでから学校に行くよ」

「……そうですか。今日は本当にありがとうございました。
 では、ごきげんよう」

急ぎ足で歩く女子生徒。お嬢様校は時間厳守なのだろう。


「……」

ダルそうな上条はベンチに座り、腕を組みながら目を閉じた。




それから数時間が経過した。


531 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 22:03:46.40 ID:/EnNKy7y0



「…………どうしたの?」

通りかかった美琴の心配そうな声。

下校途中の彼女は通学カバンを片手にさげている。


「……」

上条はベンチに腰掛け、死人のような顔でうなだれている。
まるで敗戦直後のボクサーのような面持ちだ。



「当麻!」

美琴の叫びが届いたのか、上条がわずかに肩を揺らした。

「……おう。みことか」

「そんな辛そうな顔して…一体何があったの…? 」


533 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 22:08:57.02 ID:/EnNKy7y0


「……俺は黒子に釣り合わないと思う。所詮俺はただの野生動物さ」

「何言ってんのよ突然……。あんたらしくないじゃない。
 ……黒子と何かあったのね?」


「……」

上条は黙ったままだ。


美琴は沈黙を肯定と受け取って話を進める。

「私でよければ相談に乗るわよ? ふさぎこむのはよくないわ」

「……」

「当麻…」

「……」

美琴は上条を優しく抱きしめた。ほのかに香る少女の匂いと
温もりに安心し、上条は事情を話し始めた。


534 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 22:14:26.94 ID:/EnNKy7y0


昨日黒子が家にやってきたこと。そして夕食後に体の関係を持ったこと。

美琴は真っ青になりながら聞いていた。


「俺は最低だ。美琴や禁書を裏切った。もう二度と女の子たちと関わらないy」

「それって黒子が迫っただけじゃない! 当麻は最低じゃないよ!」

当麻の言葉を遮って叫ぶ美琴。


「しかし俺は…」

「いいの! 悪夢だったと思って忘れて。当麻には私がいるよ?
 黒子は無駄に頭がいいから影で何企んでるか分からない女なのよ?
 でも私なら当麻を純粋に愛せるわ。誰よりも当麻のことが好きだもん」

「……お前は俺を嫌いにならないのか?」

「愚問ね。私は……当麻の彼女よ?」

「……っ!」

その一言で上条の心が揺らいだ。


535 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 22:22:16.10 ID:/EnNKy7y0


ところで、上条から見て白井黒子は完璧すぎた。

品行方正・良妻賢母・才色兼備の三拍子揃った黒子は
仲良くなるには最高の存在だが、それゆえに負い目を感じていた。


食事の時に強く感じたのは、彼女がまぎれもなく上流階級の
生まれだということ。幼少時のときから英才教育を受けて
きたのだろう彼女とは、何もかもが違いすぎる。


上条は、黒子がまだ男をよく知らないから、
自分などに興味を持っているのだろうと思っていた。

元同性愛者だった彼女にとって、男性そのものが珍しい
存在なのだろうと。そして女子中学に通っていることも
それに拍車をかけているに違いないと考えていた。


538 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 22:27:59.09 ID:/EnNKy7y0


「当麻は寂しいんだよね? 不安で不安でしかたないんだよね?
 私が癒してあげるから…」

愛しそうに彼の顔を押さえ、甘言をささやく。

「……ちゅ……ん……」

そして軽く唇を重ねる。



「……」

凍りついた上条の心に、暖かい何かが生まれようとしていた。

美琴はお嬢様の割には庶民的なところがあり、変に高いプライドを
持っていないところも好感が持てた。それに怒りやすくてて子供っぽい
性格は禁書に似ており、親近感を感じていた。


545 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 22:38:48.35 ID:/EnNKy7y0


「寂しくなったら、いつでも私に甘えてくれていいんだよ?」

美琴はなおも誘惑していた。

彼女の胸に顔を埋めている上条は、自分がどうすれば
いいか分からず、ただされるがままだった。



客観的に見て、上条は自身を過小評価していた。

事実として複数の女の子達に好かれている以上、彼に魅力があるのは確かだ。

彼は謙虚な性格であり、仲良くなった女の子達には、
自分よりもっと相応しい相手が見つかるのではないかと常に考えていた。

それは今目の前にいる美琴に対しても同様なのだが、彼女の優しさに
つい甘えてしまう自分が嫌だった。


546 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 22:46:54.19 ID:/EnNKy7y0


「まあまあ、ずいぶんと熱々ですのねぇ。こんな公衆の面前で」

それは黒子の声だった。

「美琴お姉さま。こんなところで当麻様をたぶらかすなんて、
 はしたないですわよ」

「あんたに言われたくないわ。昨日は当麻の家で
 お楽しみだったそうじゃない。この淫乱」


美琴が言い返し、舌戦が始まる。


「人目のある公園で熱い接吻をする人よりはましですわ。
 当麻様も嫌がってるんじゃなくて?」

「へぇ、そう見える? 私と当麻はいつだって仲良しよ。
 だって私は当麻の彼女だもん」

「……!」


547 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 22:47:46.19 ID:kMJ4DbUl0

出るたびに性格が変わる


548 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 22:53:22.28 ID:FVpxuTOc0

思春期だからな


549 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 22:55:41.93 ID:/EnNKy7y0


黒子が額に青筋を立てながら言い返す。

「人の気持ちは揺れ動くものでしてよ。それは以前お姉さまが
 おっしゃってたことではないですか。私は当麻様が振り向いて
 くれるまで静かに待ちます」

「そうやって気取った態度取ってるけどさ、あんたの腹のうちは
 分からないものよね。軽々と当麻に体を捧げちゃってさ」

「あれは当麻様の方から迫ってきたんですの。
 わたくしを情熱的に押し倒してきましたわ。それはもう激しく」

「……へぇ?」


頭にきた美琴が冷静さを失い、口論が激しさを増していった。


「~~~~~!!」

「~~~~~~~~~!!」


550 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 23:03:38.26 ID:/EnNKy7y0


罵声が飛び交う中、上条は一人だけ冷静だった。


(……はぁ)

精神的に疲れていた。

あちらを立てればこちらが立たず。どんな選択肢を選んでも
厄介ごとに巻き込まれることばかりで、平和が恋しかった。


「とにかく、わたくしこれからジャッジメントの会議がありますの。
 お姉さまと話をしていたら時間がもったいないですわ」

黒子はしきりに腕時計を確認した後、

「それではこれで失礼いたします。見苦しいところをお見せして
 申し訳ありませんでした、当麻様」

最後に上条の頬にキスして去っていった。


553 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 23:12:40.28 ID:/EnNKy7y0


美琴は黒子の後姿を忌々しそうに見つめた後、

「当麻。これから時間ある? もし良かったらわt」

言い終わる前に邪魔が入る。


「上条様~~~!」 「まあ、あれが上条様ですの?」

「思ってたよりも素敵ですわ!」 「シマウマ様~~~!」

なんと、四人の女子生徒達が現れ、上条の周りを囲んでしまった。


「なななな、なんだね君たちは…?」

上条はあたふたした。


558 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 23:21:49.72 ID:/EnNKy7y0


「覚えていませんか? わたくし、先日上条様に助けていただいた者です」

常磐台の制服を着た女子生徒Aがそう言う。他の子も同じ制服を着ていた。


「お、おう。もちろん覚えているとも。久しぶりだね。あはは」 (あの時の女の子か…)

上条は突然の事態についていけないので空返事した。

よく見ると、女の子達の中には今日助けた子も含まれていた。


「それで…今日は何の用かな…?」 

控えめに質問する。

「助けていただいたお礼に、お茶にでも誘おうと思っておりますの。
 迷惑でしょうか?」

そう言うのは今日助けた女子生徒Bだ


560 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 23:30:47.17 ID:/EnNKy7y0


「へ…? いや迷惑だなんてことはないけど、むしろ俺なんかでいいの?」

「もちろんですわ! 上条様のシマウマパンチ…男らしくて痺れましたわ」

頬を赤く染めながら回想する生徒B。


すぐ後ろにいる生徒CとDもにこにこしていた。

上条が彼女達のことについて聞いてみると、同じ部の後輩らしい。

四人は水泳部に所属していて上条のうわさを共有しおり、
お礼を兼ねたデートを模索していたらしい。


562 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 23:38:26.42 ID:/EnNKy7y0


「さあ、こんなところで立ち話もなんですから、
 日が暮れる前に早く行きましょう」

生徒の一人が上条の手を引っ張ると、他の生徒がもう片方の手を引く。

上条はされるがままで、そのままどこかの高級喫茶店まで案内されるのだった。

まるで嵐のような出来事だった。



「……え?……何これ………? 意味わかんないんだけど……?」

一人残された美琴はしばらくそのままフリーズしていた。

______________________________________________________


ふぅ。今日はここまで。規制されなかったのが奇跡だ。また明日会おう


563 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 23:39:13.15 ID:mANGbKBP0

乙~
明日も楽しみにしてる


593 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 14:43:50.43 ID:Fk5YjXGU0

みんなの保守と支援に感謝しつつ、>>562から再開。
____________________________________

そして夕方。

上条は帰宅した。


「ただいま…」

「おかえりなさいなんだよ! とうま!」

元気よくインデックスが抱きついてくる。

「……」

「あれ、なんだか元気ないね?」

「……」

しずんだ顔の上条は無言だった。


594 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 14:50:53.93 ID:Fk5YjXGU0


禁書は先程から感じていた違和感を口にする。

「とうまは…今日も女の子とイチャイチャしてたの?」

消え入りそうな声だった。

禁書がそう思ったのは、彼が女子中学生たちといるのを見たからではない。
彼の服から複数の香水の臭いがしたのでそう思ったのだ。


「……まあな。おいしいケーキと紅茶をご馳走してくれたよ…」

「……うれしくないの?」

「そうだな…。うれしくないと言えば嘘になるかもしれない。
 だが、俺はもうこういうのはたくさんだ」

「え?」

「………すまん。一人にしてくれ」

上条は持っていたコンビニの袋を禁書に渡して床に寝転がった。


595 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 14:58:17.09 ID:Fk5YjXGU0


禁書は、まるで中年オヤジのようにだるそうに寝転ぶ彼を見て
一抹の不安を覚えつつも袋の中を見る。


「…」

中にはいたのは一人分のコンビニ弁当。

今日はこれを食べろと上条は言っているのだ。

年中お腹がすいている彼女にとっては量が足りない
ので少し不満だが、文句を言っていい雰囲気ではない。


「買ってきてくれてありがとう。いただきます」

一人静かに手をあわせ、静粛に食事を始めるインデックス。

いつもより食べ方が上品なのは、黒子に受けた手ほどき
を決して忘れないからだ。


598 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 15:08:55.17 ID:Fk5YjXGU0


(とうま、すごく苦しそうなんだよ…。
 見てるこっちまで辛くなるよ…。 
 何か私にできることはないのかな……)

もぐもぐとカツを租借しながら考える。

元気のない同居人をはげましてやろうと考えるのは当然である。

そして色々考えた末、とりあえず今日はそっとしておいてあげようと思った。

インデックスは、自身が騒がしい性格であることを自覚している。
だから少しでも静かにしてあげるのが上条にとってベストだと判断した。


「ごちそうさま」

食べ終わるのに時間はかからなかった。

空になった容器を燃えるゴミとして分別した後、
お風呂場に行ってお湯を沸かすことにした。
上条に疲れを癒してもらうためだ。


599 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 15:16:26.85 ID:Fk5YjXGU0


しばらくして



「とうま。お風呂沸いたよ?」

「俺は後でいい。先に入れ」

「……うん。分かった。……元気出してね?」

「……ああ」


それが本日彼と交わした最後の会話だった。

上条はそのままベッドで深い眠りについた


600 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 15:24:03.76 ID:Fk5YjXGU0


翌日。

上条は一日ぶりの教室に入ると、そこは異空間と化していた。


「裁判官。被告人が来たようです」

麗しき巫女・姫神が言う。


「分かりました。それではこれより裁判を開始します」

厳かな雰囲気で教団に立つ土御門が机を叩く。

「諸君。上条被告が登場したので、これより
 第一回・シマウマ裁判を初めようと思うと思う」


そう宣言すると、教室から拍手喝采が起きる。

「待ってました!!」  「ぱふぱふ~!」  「ついにシマウマが裁かれるか」


603 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 15:35:45.19 ID:Fk5YjXGU0


(……!? ……? ……!?)

上条は頭の中に多数の疑問を抱きながら、教室を観察した。


部屋中の机の配置が変わっており、上条が座らされたのは中央のイス。

その両サイドには弁護側・検察側の机が用意されている。

弁護側に座っているのは一方通行と打ち止め。
検察側は青髪ピアスとステイル。

後方の傍聴席には姫神や小萌教諭、クラスメイトらが着席してる。
今日は授業を放棄したのだ。



用談だが、明らかに部外者や前科者がいるように
見えるだろうが、それについてはあえてスルーしてもらいたい。

また、裁判の描写にも多数の矛盾や筆者の知識不足を露呈
するかもしれないが、これも容赦していただきたい。


605 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 15:44:47.23 ID:Fk5YjXGU0


「上条被告は不特定多数の女子生徒たちをたぶらかしたとされている」

土御門が得意げに話す。

「被告人は少なくとも御坂美琴氏、白井黒子氏、禁書目録氏や
 他多数の女子生徒とイチャイチャしておきながら、
 その中の誰と付き合うこともなく、さらに交友関係を広げている。
 これは不健全、不自然な現象であり、意図的に女心を
 もてあそんでいたのではないかとされている」


ここで一方通行が手を上げる

「意義あり!」

「弁護人の発言を認めます」 と裁判官の土御門。


「はい」

一方氏は猫背のまま立ち上がり、反論を始める。


606 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 15:52:35.66 ID:Fk5YjXGU0


「まず前提として、上条氏は極めて鈍感であり、正義感が強い。
 彼は人助けを日常的に行ってフラグを立て続けている。
 例えば彼が助けた女子生徒が、それをきっかけに恋に
 落ちるとしたら、それは自然の流れである。不健全ではない」


ここでステイルが手をあげる。「意義あり」 

「許可します」 と裁判官。


「はい」

厳かに立ち上がるロリコンの脱獄犯。

「一方通行氏の発言どおり、確かに上条氏は日常的にフラグを
 立て続けてる。しかし、仮にそれらの女性生徒から言い寄られた
 としても、懇意にしている女性の存在を示せば済む話である。
 それをしないのは、彼が意図的にハーレムを作ろうとしているから、
 と考えれば説明はつく」


607 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 15:54:46.76 ID:dILxxX1d0

ステイル帰れよwwww



608 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 15:59:24.49 ID:1/E9xB4P0

一通さんシマ条さんの弁護ですかwwww


609 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 16:00:06.30 ID:Fk5YjXGU0


このタイミングで土御門裁判官が質問する。

「検察側は彼が鈍感であり、正義感が強いことは認めますか?」

「はい。それは認めます」

検察官のステイルと青ピは共に異論なし。


次に魅惑の幼女・打ち止めが挙手して発言許可をもらった。

裁判なので真面目な口調だ。

「上条氏は非常に多くの女性から、ほぼ同時期に好意を向けられている。
 みな容姿端麗な若い女性ばかりであり、その中から特定の一人を
 選ぶのは困難である。彼は心が揺れ動く思春期の学生だからだ」


610 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 16:08:08.66 ID:Fk5YjXGU0


打ち止めちゃんはここで一息入れて発言を続ける。

「参考として、彼に好意をもったとされている女性を列挙したい。
 禁書目録氏、御坂美琴氏、白井黒子氏、佐天涙子氏、初春飾利氏、
 常磐台中の生徒A氏、B氏、C氏、D氏。客観的に見てももかなりの数である」


「意義あり」 と控えめに手を上げる無駄にイケメンのステイル。なぜか顔が赤い。


つっちーから許可を貰ってさっそく発言。

「特定の一人を選ぶのは難しいかもしれないが、その曖昧な態度が裏目に
 でた事例がある。御坂氏は以前から上条氏に強い好意を抱いていたが、
 異常な鈍感さによって気づいてもらえず、性格が豹変した。最終的に、
 彼女は暴行や脅迫などの手段で上条氏と強引に交際を迫った」


衝撃の事実に、場がしんと静まる。

「……!」

傍聴側の姫神さんが固唾を呑んで裁判の行方を見守っている。

それは他の生徒達も同様だった。


612 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 16:19:11.99 ID:Fk5YjXGU0


ステイルは発言を続ける。

「その御坂氏の凶暴性を体験した証人として佐天涙子氏をお呼びしている。
 裁判官、入室の許可を」

「いいでしょう」

金髪のグラサンがうなずく。


佐天さんは緊張しながら入室してきた。発言を始める。

「○月×日、○○レストランにて上条さんと友人の初春の三人で
 食事をしている時でした。突然乱入してきた御坂さんに脅されました。
 彼女は目が血走っていて、レールガンが発射されるあと一歩のところで
 上条さんに助けられました」

「具体的に、御坂さんに何と脅されましたか?」

ステイルが質問する。

そして佐天さんが答える。


613 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 16:19:40.21 ID:1/E9xB4P0

なんという建前だらけのステイルの異議なんだww


614 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 16:27:45.05 ID:Fk5YjXGU0


「今すぐ私の当麻から離れなさい。三秒あげるわ、と言って
 レールガンのコインを発射するそぶりを見せていました。
 一歩間違えれば命を落としていたと思います」

「分かりました」


と言ってステイルが話のまとめにかかる。


「以上の内容は、御坂氏が上条氏を思うばかりに生じた奇行である。
 仮に上条氏が早期に御坂氏と交際するか、そうでないにしても
 気持ちをはっきりと伝えて断っていば、この事態は未然に防げたといえる!」


616 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 16:35:04.08 ID:Fk5YjXGU0


その発言を聞いた一方通行が 「異議あり!!」 と大きな声で手を上げる。

「検察側では御坂氏の奇行が上条氏の鈍感さが原因だとしているが、
 これは明らかな誤謬である。御坂氏がツンデレであるのは周知の
 事実だが、彼に気持ちを伝えられないばかりか、幾度となく勝負をしかけている」 


ここで一呼吸入れてから続ける。


「また、御坂氏はその勝負の際に公共施設や電化製品に被害を及ぼしており、
 普段から○○公園の自動販売機に蹴りを入れるなどの素行の悪さが目立つ。
 これらには複数の目撃者がいる。したがって、彼女は潜在的に
 犯罪に手を染める可能性のある人間だったと考えることが出来る」

一方氏の発言はまだ終らない。

「それを裏付けるように、御坂氏はヤンデレ化して上条氏の住んでいる寮に
 おしかけ、氏の同居人の禁書目録氏を虐待し、失語症にさせたとされている。
 常磐台女子寮のルームメイト・白井氏に対しても電気ショックを与えるなどの
 拷問を実施しており、御坂氏が異常者なのは疑いの余地がない」


617 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 16:36:23.73 ID:qou+hxRcP

身も蓋もねーな


618 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 16:38:12.36 ID:iveB1c6K0

なんで全部バレてんだよw


619 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 16:43:11.70 ID:Fk5YjXGU0


長いセリフだったが、一方通行氏は噛むことなく言い切ることが出来た。

小さくガッツポーズする一方さんだったが、周囲は騒然としていた。


「うぅ……ぐすっ……ひどすぎるわ……
 どうしてそんな酷いことができるの……」

傍聴席に座っている姫神がハンカチで涙を拭いていた。
心優しい彼女は、親しくしていた禁書が虐待されたと死って心を痛めたのだ。


「なんて奴だ…」 「レールガンはキチガイだ…」 「僕も叩かれたいんだお」
  
姫神の近くに座っているクラスメイト達(1名以外)もどよめいていた。
それだけ美琴の異常性が際立ったのだ。


一方通行の陳述は確かな効力を発揮していた。

_____________________________________________

裁判の途中で恐縮だが、午後の投下はここまで。規制が怖いしね
書き溜め作業に戻るから、また夜に会いましょう。


620 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 16:46:23.23 ID:0dYWBstl0



待っているんだよ


637 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 21:03:08.54 ID:Fk5YjXGU0

>>619から続くよ。裁判編です。保守ありがとね。

_______________________________________________________________

これで観客たちの心情を上条側優位に
させることができたと思われたが…


「異議あり!」

今まで沈黙を保っていた検察官・青髪ピアスだった。

悪友の裁判官から発言許可をもらう。

「御坂氏の異常性について異論はない。だがそれはあくまで一例である。
 上条氏が意図的にハーレムを作りだしていることの否定にはならない。
 ここで例をあげよう。上条氏は数日前から白井氏と懇意の関係になった。
 スーパーで夕食の食材を買っている彼らを見たと証言するものは多い」

青ピは身振り手振りを加えながら話し続ける。

「その関係にありながら、先日、上条氏は昼下がりの○○公園で御坂氏と
 接吻を交わしていた。そしてその場に白井氏が訪れて御坂氏と激しい
 口論となった。にもかかわらず上条氏は悪びれるそぶりを見せないばかり
 か、常磐台の女子中学生らと喫茶店に行ったとされている。
 なお、この事例の目撃者は通行人や店員など多数である」


639 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 21:12:08.63 ID:Fk5YjXGU0


青ピは気分が乗ってきて興奮し、
傍聴席側の方を向きながら大声で話し始める。

「そもそも、彼は禁書目録氏という同居人がいながら、
 御坂氏や白井氏と不健全な関係をもったことに注目してもらいたい! 
 打ち止め氏の言うとおり、確かに誰か一人を選ぶのは大変だろうが、
 悩む時間は充分にあたったと考えられる。それにもかかわらず…」

青ピはオーケストラの指揮者のように両手を広げて陳述を続行する。

「今現在も特定の恋人を作ろうとせず、ハーレム状態を維持している!
 ちなみに、公園で御坂氏が接吻した際、以前のような脅迫は
 一切用いず、自然な会話の中から生まれたとされている!
 証人の入室の許可を…」

すぐに土御門が許可を出したので、初春飾利が入室した。

「昨日、上条さんが公園のベンチでうなだれていました。
 そこへ現れた御坂さんは上条さんを励ますようなことを
 口走った後、抱きしめてキスしてました」


640 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 21:13:47.98 ID:vDCOnqij0

あえて聞こう
ハーレムを作って何が悪い


642 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 21:20:53.10 ID:GzYBK0TW0

上条「青ピ、一人回してやるよ」

司法取引成立


643 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 21:20:57.15 ID:Fk5YjXGU0


さらに続ける。

「上条さん達は少なくとも7、8分ぐらいは抱き合っていました。
上条さんは嫌がるそぶりを全く見せず、御坂さんの胸に顔を
 埋めて喜んでいました。そこに脅迫や暴力は一切存在しませんでした」

初春の発言はここまで。 

青ピが引き継ぐ。

「証拠品もある。通りすがりの中学生が撮影したものだが、
 確かに上条氏と御坂氏が抱き合っている写真だ」


その写真がプロジェクターの大画面に映し出される。


「まじかよ……」 「何て節操のない奴だ…」 「あれがシマウマか…」

一同はまた騒然とし始める。

傍聴側のクラスメイトらは青髪ピアスの陳述に動揺しているのだ。


645 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 21:29:20.71 ID:Fk5YjXGU0


青ピは彼らの反応に満足しつつ、さらに熱を入れて発言する。

「浮気行為は罪であり、多くの人を不幸にさせる!
 まともな人間であるならば、最低限の秩序は守ってしかるべきである。
 だが、上条氏は稀代の女垂らしであり、これからも多くの女性を
 巻き込み続けるだろう!」


青ピがデスノートの夜神月(最終話)のような顔で必死に叫ぶ。


「想像してみてください! 小学校を卒業したばかりの
 女の子が、上条氏の餌食になる姿を!! 純真で初心なその子たちが
 彼のハーレム目的のために騙され、欺かれる姿を!! 
 本日証人として参加していただいた二人の女性も該当するのですよ!!」


熱い発言を終えた青ピは肩で息をしており、たしかな充実感を得ていた。

ほどよい汗をかいており、スポーツのあとのようだった。


646 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 21:38:19.04 ID:Fk5YjXGU0


ピアスをつけた検察官の発言内容は、
野球でいえば逆転満塁ホームラン級の勢いがあった。



「上条君……最低だわ……!」

吐き捨てるように言うのは姫神。彼女とて恋する乙女。
上条の卑劣さに憤慨するのも無理はない。


「最低なシマウマだな…」 「奴は逮捕された方がいいんじゃないか」

「これほどの悪党はみたことがない」 「美琴タンにビンタされたいお」


クラスメイト達も怒りを隠せない(1名以外)

教室中が凄まじくどよめき、異様な空間となってしまった。


649 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 21:46:39.85 ID:Fk5YjXGU0


「もう……やめろよ」

発言したのは上条被告だった。



「!?」  「!!」  「…!?」  「な!?」

裁判官を含めた全員がそちらに注目する。



「もうたくさんだ!! そんなに俺を悪者にしたいのかよ!!」

上条は悪態をついた後、

「うわああああああああああああああああああああああああああああ!!」

奇声を上げながら脱走してしまった。

シマウマらしい素晴らしい疾走であり、背後からステイル達が
追いかけるが距離は開くばかりで、上条はまんまと逃げ切った。


651 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 21:54:06.30 ID:Fk5YjXGU0


「もういやだあああああああああ!! 不幸だああああああ!!」

上条が玄関を思いっきり開けた後、急いで鍵をかける。


「血相変えてどうしたの、とうま?」

禁書ちゃんは割りと冷静だったが、上条は焦りまくっている。

「もう俺は二度と学校に行かないぞ!!
 どいつもこいつも俺をバカにしやがってえええええ!!」

言いながら暴れ始める。 

とにかくむしゃくしゃして仕方なかった。


「あわわわ、お、落ち着いてよ、とうまぁ」

禁書は縮こまって震えていた。

涙目になっているのがとっても可愛かった。


655 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 22:02:42.41 ID:Fk5YjXGU0

数分後。


「上条さん!! 開けなさい! 裁判はまだ終わってませんよ!」

「裁判を拒否するつもりですか、被告人!」

裁判官らが玄関を叩き続けていた。

まるで借金取りのようだ。


「あーうぜー。あいつら全員くたばれ」

上条は布団にくるまり、現実逃避している。

彼らの話に応じるつもりはなかった。


656 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 22:04:35.02 ID:1/E9xB4P0

味方のはずの一通さんが何とかしてくれる


657 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 22:07:18.51 ID:yZlLMHum0

一通さんぺろぺろしたいお


658 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 22:10:44.27 ID:Fk5YjXGU0


ところで、

あの裁判は、一方通行が企画したものだった。

以前から上条の異常性に気がついていた彼は、
愛しの打ち止めに手を出されることを恐れていた。

そして上条に不満を持つ有志を集わせ、今日の
裁判を開いたのだ。獄中にいたステイルを脱獄させたのは彼だ。

なお、裁判とは名ばかりで、最終的には上条の有罪が
確定していた上で実施されていた。一方通行が弁護側に
回っていたのも、首謀者であることを隠すためのポーズである。

担任の小萌先生はビールで買収し、授業を乗っ取った。


660 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 22:11:47.79 ID:1/E9xB4P0

一通さんやっぱパネェっすwww


661 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 22:13:50.25 ID:yg9ZCUHM0

ビールで買収www


662 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 22:15:32.63 ID:EiVrk+MJ0

小萌先生の買収の決め手は、来月値上がりするタバコ20カートンだったという…


663 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 22:18:29.07 ID:Fk5YjXGU0


「……」

上条は床の上に踏ん反り返り、黙ったままだ。

不機嫌オーラが全身から発せられており、
その背中は『俺にかまうな。話しかけるな』と無言で訴えている。

ちなみに、しつこい裁判官達は徹底的に無視した。
数十分もすると彼らは諦めて帰っていた。



「……よいしょ、よいしょ」

禁書は部屋の後片付けをしていた。

上条が派手に暴れたため、投げつけられた物品の数々が
その辺に転がっているのだ。


664 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 22:26:10.40 ID:Fk5YjXGU0


倒れた棚や本を一通り元に戻した後、
丁寧に掃除機をかけて清掃を終えた。

「ふぅ」

ここでちょっと一息。

汗をぬぐいながら、一仕事終えた後の爽快感にひたっていた。



「あー、うぜー。うぜー、うぜー。おらおら」

愚痴をこぼしながらDSをプレイしているのが上条。

差し込まれているカートリッジには、「ドラクエⅤ」と書かれている。

密かに溜めたバイト代で買ったのだ。


665 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 22:34:08.25 ID:Fk5YjXGU0


ピコ ピコ ピコ ppp


「おらおら、喰らいやがれ」

上条は初期のダンジョンでスライムを倒しまくってストレスを解消していた。

ちなみに主人公の名前は、「シマウマ」である。



「とうま…」

禁書は彼を哀れむような目で見ていた。

同時に恐怖も感じていた。
こんなにやさぐれた上条を見るのは初めてだった。
今の彼はまるで思春期の中学生のようである。


668 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 22:41:30.23 ID:Fk5YjXGU0


思えば、今まで本当に色々なことがあった。



美琴のヤンデレ化と一連の襲撃事件。

禁書の失語症とその闘病生活。

淑女・黒子の丁寧なもてなしや、インデックスへのお嬢様教育。

美琴・黒子との険悪な三角関係。

そして今回のシマウマ裁判。

まさに波乱万丈の人生である。


669 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 22:49:14.41 ID:Fk5YjXGU0

どれも普通の高校生が体験するものではない。
上条が精神的に参ってしまうのも無理はない話である。


(私がなぐさめてあげるからね……。
 大丈夫だよ。私はとうまの味方だから…)

インデックスは何とか彼を立ちなおさせるべく、
四苦八苦することになるのだった。


_______________________________________________

今日はここまで。これから上条ヒッキー編が始まるぜい。
ネタがつまっているから、投下は明日の夜になるかもしれないけど、
気長に待っててくださいな。んじゃ、明日会おうぜ。


670 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 22:50:47.47 ID:XtXADtMU0


どうしてこうなった・・・


671 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/17(金) 22:53:18.67 ID:1/E9xB4P0

まったく先が読めん
明日も期待
乙した





----------

この先を数日間上げ忘れていました、すみません。

----------




709 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 14:31:10.31 ID:Ooh29v1N0

お待たせ。それと保守ありがと。本日午後の投下を始めます。
上条ヒッキー編の始まり始まりぃ。>>669から
____________________________________________________


その日から、上条は家に引きこもるようになった。
学校は無断欠席し、鳴り続ける電話がやかましいので
電話線を抜いてしまった。


彼はベッドで踏ん反り返りながら、ドラクエに没頭し続けた。
毎日夜遅くに寝ては昼に起きる生活。

炊事洗濯は一切行わず、全てインデックスに任せている。

以前の正義の味方はどこへ消えたのか、彼にはもう
人としての感情が失われつつあった。


710 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 14:32:57.71 ID:GqGRloIt0

よくみたらとんでもない長寿スレになってんな
がんばってくれ
インデックスちゃんかわいいよちゅっちゅ


711 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 14:37:58.19 ID:Ooh29v1N0


禁書はキッチンでお茶を淹れ、湯のみを盆に乗せてとことこ歩く。

「とうま、お茶淹れたよ?」

テーブルに二人分の湯のみを置くが、

「……あぁ。サンキュな」

上条の反応は淡白だ。今もDSの画面から目を離さない。


(うう。反応がすごく冷たいんだよ……。 
 どうしたら機嫌を直してくれるのかな……?)

禁書ちゃんは少し泣きそうになりながらも、
退屈しのぎにテレビをつけた。

ピッ

ちょうどニュースの時間だった。


714 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 14:45:08.74 ID:Ooh29v1N0


女性アナウンサーが淡々と読み上げる。

「まずは数日前、学園都市内の高校で開かれたシマウマ裁判の経過について、
 一部始終を撮影したビデオの映像が各国に流失した事件についてです。
 欧州や中東など各国の首脳陣や人権団体の間で話し合われ、
 大きな社会問題に発展しています」


ここで画面が切り替わって、ロシアに移る。

「わたくしは本日、ロシアのサンクトペテルブルクに来ております」

現地の男性キャスターが話す。眼鏡をかけており、知的な印象だ。

「冬宮殿前の広場では、ご覧の通りたくさんの市民が集まっており、
 デモ行進をしています。彼らは白井黒子氏のファンで構成されており、
 上条氏のあいまいな態度に強い不快感を示しております。
 彼らは上条氏に対して、白井氏の名誉を守るため交際するべきだと
 主張しており、ロシア警察は、各地で暴動が起きないよう警戒しています」


716 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 14:52:17.19 ID:Ooh29v1N0


そして画面がイラクに切り替わる。

現地キャスターがはきはきと話す。

「ご覧下さい。現在、首都バグダードでは、多くの露店や道路などが
 爆弾テロの被害にあって混乱しています。イラク内の若い男性らは、
 美琴派と黒子派に分かれて対立しており、激しい銃撃戦を展開してます。
 その中でも美琴保護戦線を名乗る過激派集団が活発にテロ活動を
 行っていて、町は騒然としてます」


インデックスは画面は見ながらお茶を吹いてまった。

「ぶーーーっ! な、何が起きてるの!? 
 何かの冗談だよね!? 意味わかんないんだよ!?」


次に画面はイタリアに移る。首相のインタビューだ。

「現在、EU各国では上条氏に対する不満が広がっているが、
 私はあえて上条氏を支持したいと思う。彼のハーレム願望は、
 思春期の男子学生として当然の欲求であり、非難するほどの
 ものではないからだ。ちなみに、私は愛人が五人ほどいる」


718 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 14:59:08.79 ID:Ooh29v1N0


その次に映し出されたのはドイツだった。

スーツを着た偉そうなおじさんが記者会見をしている。

「先程議会で話し合ったところ、上条氏の性欲の強さは獣並で
 あるという考えで一致した。でなければ大規模なハーレムを
 作ったことの証明にならないからだ。また、今後の被害予想
 についても話し合い、上条氏は次に打ち止め氏を狙う可能性が
 高いと判断された」


さらに別のおじさんが映し出される。
ごつい顔で軍服を着ており、軍の司令官のようだ。

「打ち止め氏が至高の幼女であり、保護対象であるのは
 ドイツ国民の総意である。もし日本国政府から要請があれば、
 軍の主力を出動させる準備がすでに整っている。
 また、我々の見解は一方通行氏と共通しており、近日にも
 彼をドイツ国防軍司令部に招待し、今後の展開について
 くわしく協議したい」


719 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 15:07:36.63 ID:Ooh29v1N0


インデックスは、茶を噴いたせいでびしょ濡れになった
テーブルを拭きながらあきれていた。

「何で国際問題にまで発展してるんだよ……?
 みんな絶対に頭おかしいんだよ……?」


次に映し出されたのはアメリカだ。

映画監督が記者会見している。

「すでにインターネットなどで報じられているが、私が次に製作するのは
 上条氏のドキュメンタリー映画に決定した。彼の波乱万丈な人生は
 非常に刺激的であり、かなりの興行収入が見込めると考えている。
 特に御坂役は物語の鍵であるので、俳優は慎重に選ぼうと思う」


画面が切り替わってイギリス。

アナウンサーが原稿を読み上げる。

「ここ数日、イギリスのオークションでは上条氏と御坂氏が
 公園で接吻した際の写真などが高値で取引されています。
 特にその時彼らが座っていた公園のベンチが人気商品となり、
 オズウェル,E,スペンサー男爵が、ベンチとしては史上最高価格で落札しました」


723 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 15:12:31.75 ID:Ooh29v1N0


ここまで報じたところで、上条は切れた。



「どいつも……こいつも……」

DSをぶん投げて、静かに立ち上がる。

「ふざけやがってえええええええええええええええええええ!!」

吼えるシマウマ。すでにストレスは限界まで達しようとしていた。

無理もない。個人的な女性関係が世界中に公開されているのだ。
上条のプライバシーが存在しないのさすがに酷すぎる。


「ちくしょおおおおおおおおおおおおおお!!」

叫んでも、どうにもならないのは分かっていた。
だが、こうせずにはいられなかった。

今まで本当に様々な事件に巻き込まれてきたが、
ここまで腹が立ったのは生まれて初めてだった。


724 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 15:16:20.44 ID:Ooh29v1N0


「とうま。お願いだから落ち着いて…」

禁書が控えめに言いながら、上条の近くをうろうろするが…

「うるせえ!」

「あっ……」

頬を叩かれてしまった。

「……」

「……」

重い沈黙が訪れる。

「……」

「……ごめんね。とうま」

「…え?」

謝ったのはなぜかインデックス。


725 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 15:19:37.90 ID:soA/3PMC0

上条さんもかわいそうなんだかなぁ・・・


726 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 15:21:26.07 ID:Ooh29v1N0

彼女は涙を堪えながら話した。

「いっつも私が迷惑かけてから悪いんだよね?
 とうまが他所の女の子たちに癒しを求めちゃうのも分かるよ。
 でも、これからは私がとうまに尽くしてあげるから…」

インデックスは上条に抱きつき、

「私だけを見て…。私はとうまが何やってたとしても受け入れるよ」

「……!」

上条が感じたのは強烈なデジャブ。
美琴や黒子の時と全く同じパターンだ。

上条はよく考えた後、禁書を押しのけた。

「よしてくれ。俺はもう女の子と仲良くなりたくない」

「……とうま」

「言っておくが、おまえに出て行って欲しいわけじゃないぞ?
 これからもこの家に居てくれてかまわない。だが、必要以上に
 べたべたするのはもうやめよう」

「……うん。分かった」

肩を落としたインデックスが頷く。


727 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 15:26:07.71 ID:Ooh29v1N0


こうして微妙な関係のまま、さらに数日が経過した。

上条は相変わらず学校に行かず、DSをプレイしていた。

その世話焼きがインデックスの仕事である。

清掃は一通りこなせるようになったが、まだ料理までは
万全ではない。ご飯だけを炊くことは出来るので、
あとはスーパーで買った簡単な食材を調理するか、
出来合いの惣菜を購入するなりしていた。


「ポイントカードはお持ちでしょうか?」

スーパーのレジで店員に聞かれる。

「はい……って、あれ? あ、すみません。
 家に忘れてきてしまいました」

財布の中を探すが、目的のカードは見つからなかった。

しょんぼりしながら会計を済ませる。


728 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 15:30:14.95 ID:Ooh29v1N0


「…」

帰り道を歩いていると、主婦たちの噂話が聞こえてきた。

「まあ、あの子なんでしょ? あのシマウマの男の子ど同居してるのって」

「本当だわ。世界的に有名人になってる女の子よね」

「へぇ。結構可愛い子じゃない。年は小学生くらいかしら?」

「まだ彼と同居してるって噂じゃない。あんな男いい加減諦めればいいのに」


歯に衣着せぬ言い方とはこのことである。

彼女らの勝手な話はインデックスの心を深く傷つけた。

「うぅ…」

禁書は泣きそうになるが、必死で堪える。

今日も大好きな彼が家で待っているからだ。
早足でその場から去ろうとしたが…


729 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 15:35:06.36 ID:Ooh29v1N0


「あなたが禁書目録さんね」

腕を組んでいる地位の高そうな女性。

「私は、ジャッジメント・第177支部所属の固法美偉よ。始めまして」

そう言って握手を求めてくる。

眼鏡の奥に知的な瞳を備えている女性だった。

インデックスは緊張しながら手を伸ばした。

「よろしく…」

「そんなに緊張しなくても大丈夫よ。今日はあなたに話があるだけ」

「話…ですか?」

「ええ。少し話しが長くなるから、喫茶店にでも行きましょうか」


そして場所を移動した。

案内された喫茶店は洒落た雰囲気の店だった。

固法氏は適当に二人分の紅茶を注文した後、話を始めた。


731 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 15:40:06.61 ID:Ooh29v1N0


「上条君は一週間ほど学校を無断欠席してるわ。
 まあ、あれだけ有名人になってしまっては無理もないわね。
 彼に同情する人も実は多いの。今回の報道は彼の
 プライバイシーをずたずたにしたのよ」

話し始めると、固法氏は割とフランクな印象だった。

現在、上条氏のハーレム問題について大きな社会問題と
して扱われているが、その件について学校側やアンチスキル
と協議し、ある妥協案を検討したのだという。

「それがこの誓約書よ。これは浮気防止とハーレム撲滅に
 同意するための書類なんだけど、上条君がこれに特定の
 女性とお付き合いすると誓ってもらうために用意されたの。
 署名したら各国語に翻訳して世界に好評するわ」

テーブルの上に乗せた用紙を見せる。

「……」

「…で、この誓約書を上条君に渡してもらえるかしら。今すぐ
 決めろといってるわけじゃないわ。彼が立ち直るまで時間は
 かかるでしょうけど、いつかは決断してもらうわ」

「……」

禁書は黙って話を聞いていた。その暗い表情を読み取った固法氏は…


732 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 15:45:18.88 ID:Ooh29v1N0


「私はね、上条君が誰を選ぼうと興味はないの。それはジャッジメント
 のほとんどの人がそう思っているわ。ただこれだけの大騒ぎになって
 しまった以上は仕事としてやってるだけ。あなたも巻き込まれちゃって
 大変だとたと思うけど、まあがんばって」

固法氏は禁書の肩を優しく叩いた後、踵を返して去っていった。

インデックスは複雑な思いでしばらく考え事した後、
口をつけていなかった紅茶に手を伸ばす。

「冷たい…」

紅茶はもう、すっかり冷めてしまった。



帰宅。

「ただいまなんだよ。とうま」

「……」

念のため一分ほど待ってみたが、やはり上条からの
返事はもらえなかった。

彼は相変わらずDSに没頭していて、禁書を見ようともしない。


733 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 15:50:06.01 ID:Ooh29v1N0

(はぁ…)

少し憂鬱になりながも、インデックスはテーブルで
買い物袋を広げる。

今日は料理するのが面倒なので、スーパーで安売りの弁当を二人分買ってきた。
最近の弁当は本当に安いので重宝している。

それを食べる前に、こっそりと固法氏からもらった誓約書に目を通す。

(もし、とうまが私のことを好きになってくれたら、
 本当の恋人になれるんだね)

誓約書によると、上条が浮気をした場合は法により罰せられると
書いてある。言い変えれば彼に一途な恋愛を強要させるものだ。

(私はくろこ達よりもずっと長くとうまと過ごしてきたんだよ。
 私だってチャンスはあるはず…)

これはチャンスだと思った。

心を閉ざしてしまった彼をなんとかして救ってやればいいのだ。

シマウマ裁判が公になって以来、美琴や黒子らはすっかり現れなくなった。
理由は分からないが、彼女達にも色々と事情があるのかもしれない。

ちなみに、上条は携帯はもちろん、電話線を遮断して玄関にも施錠している
ため、可能な限り外部との接触を遮断している。


736 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 17:02:24.94 ID:Ooh29v1N0

さるだった。
__________________________________

インデックスは密かにガッツポーズした後、
上条攻略作戦に打って出るのだった。


「あー、腹減ったなー」

夜の八時。

今までずっとゲームしていた上条だが、
さすがにお腹がすいたのでお弁当に手を出そうとしていた。

だが……

「あー? 箸がねえじゃん。ったく」

付属してあるはずの割り箸がないので文句を垂れる。

ここで待ったました、と言わんばかりにインデックスが…

「とうまぁ。今日は私が食べさせてあげるんだよ!」

にっこり笑顔で割り箸を持つ禁書ちゃん。

    


738 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 17:09:25.09 ID:Ooh29v1N0


一方の上条は氷のように冷たい表情でこう言った。

「おい。やめろ」

「え?」

「そういうの、もうやめろって言ってんだよ」

「え……えっと……」

禁書はあたふたしたが、彼に物凄い顔で睨まれていた。


「俺は女の子と必要以上に仲良くしないって言ったろ? 
 もう懲り懲りなんだよ! いいから割り箸貸せよ」

「はい。ごめんなさい。怒らせるようなことして…」

「……」

禁書が申し訳なさそうな顔で謝った後、上条は特に
気にした様子もなく無言で食べ続けた。


インデックスは暇になったので、テレビをつけてみた。

内容はまたしてもニュース番組だ。


740 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 17:16:23.14 ID:Ooh29v1N0


美人アナウンサーが原稿を読み上げる。

「今回のシマウマ裁判の結果から、常磐台中学では学生の
 品格を守るため、不必要に異性と恋愛をしないよう
 校則が一新されました。女子寮の寮監の話によると、
 寮生のみ原則として男女交際は禁止させるとして、
 今後も厳しく生徒を指導していく考えを表明しました。


禁書が呆けながら感想を述べる。

「へえ。くろこ達も苦労してるんだね…。
 だから最近姿を見なかったんだ…」 


画面は切り替わって国際ニュースだ。

なんと、ドイツ国防軍司令官と握手している一方通行の姿があった。

「今回の裁判で弁護役を勤めた一方通行氏は、日本時間の本日夕方、
 訪独先のベルリンで国防軍・最高司令官のマンシュタイン氏と
 会談しました。会談では、打ち止め氏の写真集や音声データなど
 と引き換えに最新の軍事技術の提供が検討され、両氏は打ち止め氏を
 保護する立場上、必要不可欠の措置だということで意見が一致しました」


743 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 17:23:21.95 ID:Ooh29v1N0

ここで一方通行がインタビューに答える。

「この取引が成立すれば、日本国にとって多くの利益を
 生むことになるだろう。また、幼女を守りたいという気持ちに
 国境は関係ないということを改めて認識させられた。
 打ち止めが、日本とドイツを結ぶ架け橋になることを期待している」

アナウンサーが続ける。

「次に芸能ニュースです。米国で製作中のドキュメンタリー映画、
 『SHIMAUMA』について、
 米国人監督のスティーブン・リンチ氏の記者会見の映像です」
 
リンチ氏が画面上に現れる。

「製作にかける費用は膨大なものになる。特に女子生徒役の俳優
 に間しては世界中から応募が殺到しているため、かつてないほどの
 クオリティーが期待できる。ロケ地は米国内で行う予定で、
 学園都市を模倣した町を建設している」


ここで上条が切れる。

「えええい! 今すぐテレビを消しやがれえええええええええええ!!」

「は、はい! ごめんなさい!」

禁書が急いでテレビを消す。


745 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 17:30:48.12 ID:Ooh29v1N0


「ったく、どいつもこいつも俺をバカにしやがって…」

上条はベッドに横になり、すぐに寝てしまった。


「…」

禁書は密かに作戦を立てることにした。
今のニュースのせいで上条が腹を立ててしまったが、
黒子達が動けない状態である以上、チャンスに変わりはない。



それから毎日、禁書は上条に近づいてみた。

ある日。

あぐらをかいてDSをプレイしている彼の背後に忍び寄り、
さりげなく抱きついて密着してみるが、

「邪魔。どけ」

と淡白に言われて撃退された。


747 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 17:37:24.22 ID:Ooh29v1N0

別の日の夜。

禁書はパジャマ姿で枕を抱きしめて涙目になりながら、

「とうまぁ。今日は寂しいから一緒に寝てほしいんだよ?」

と言っても…

「うっせ。一人で寝ろ、ボケ」

あえなく撃沈する。


その次の日。

湯上りで一枚のタオルを身に纏った禁書が、

「おーっと、足が滑っちゃったぁ!」

わざとらしく言って上条に抱きつこうとするが…

「危ねえな」

軽く回避され、床に顔を打ち付けてしまった。


(うぅ……痛いんだよ。どうすればとうまに振り向いてもらえるの?)

インデックスは涙目になりながらも諦めてはいなかった。


751 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 17:44:24.52 ID:Ooh29v1N0


(もう正攻法は通じないんだよ。かと言って過激に責めても駄目。
 どうすれば……。あっ、そうだ!!)

痛めた鼻をこすりながら何か閃いた。


(とうまは動物が好き。いっつもシマウマの話を聞かせてくれたもん。
 なら……私がすることは一つなんだよ……)

インデックスは勝利を確信し、あるものを買うために夜の街に繰り出した。



さらに翌日。

お昼過ぎに上条は目を覚ました。

「ふぁああー」

あくびして伸びをした後、ベッドの横に不審な
ダンボールが置かれているのに気がつく。

「なんだこりゃ。宅急便か?」

大きなダンボールだった。
人が一人くらい入ってしまっても不思議ではないほどだ。


753 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 17:52:25.24 ID:Ooh29v1N0

上条がそれを開けようとしたとき…

「にゃ~~!!」

なんと……『ネコミミ』をつけたインデックスが姿を表したではないか!!


「!?……!? ……っ!? ……な!?」

上条にとってはこれ以上ないほどの驚愕だ。
寝起きにこんなものを見せられたのでは無理もない。
思考回路がいかれてしまって言葉が発せられなかった。


次に……インデックスは歌い始めた!!

『んでっ!んでっ!んでっ にゃ~んでっ! かまって かまって 欲しいの~♪』

『イイ子じゃない時のワタシ カワイイとかって ありえな~い♪』

『ソレ!ソレ!ソレ! LOVE! もらって もらって ください~♪』



それを聞いた瞬間、上条の中で人間らしい感情が生まれようとしていた。

(何この歌!? か、かわいい!? いや、確かに可愛いけど…
 それ以上に…うぜええええええええええええええええええええ!!)


754 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 17:54:11.89 ID:Ti6+YbP60

つまりインデックスは一方通行のところに行ってしまわれるのですね


756 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 17:59:03.53 ID:Ldp370y80

調子にのっちゃだめだよインデックス


757 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 17:59:14.08 ID:Ooh29v1N0


インデックスは笑顔で歌い続ける!!

『はっぴぃ にゅう にゃあ はじめまして キミにあげる 最初のオーバーラン♪』
 
『逃げるから 追い掛けて まぁるい世界♪』『ラッキー ニュー フェイス 近づいてる♪』
 
『わたしだけ~ 見つけなさい~ 拾いた~いなら 拾えば~い~じゃん♪』


その頃、上条の心の中で大きな変化が生まれた。

(何なんだこれは……聞いてるだけで元気が沸いてくるぞ……。
 そう。この気持ちを例えるなら……うざ可愛い!! うざいけど可愛い!!
 何これえええええええええええええええええええええ!?)

(拾えばいいじゃんだと!? 私だけを見つめなさいだと!?
 見つめちゃうよ!? いいの!? いいんだよね!?
 はあああああああああああああああああああああああああああああああ
 あああああああああああああああああああああああああああああああああ!!)





上条は悟りを開いた。


759 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 18:06:38.95 ID:Ooh29v1N0


インデックスを優しく抱きしめながら、感情のこもった声で話しかける。

「おまってやつは……どうしてここまで俺に尽くしてくれるんだ?」

「私がとうまのこと大好きだからだよ」

「でも、俺はおまえに冷たく接してしまった。嫌いにならないのか?」

「そんなことあるわけないんだよ。とうまは行き倒れの私を拾ってくれた。
 お腹がすいたらご飯食べさせてくれた。だからこれは恩返しなんだよ。
 とうまのことはずっと大好きだったから…」

「インデックス……」

上条の瞳に暖かい涙が生まれた。

同じようにインデックスも泣いていた。





二人はしばらくそのまま抱き合い、本当の恋人になったのだった。

    


761 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 18:11:23.27 ID:Ooh29v1N0


その後、上条はジャッジメント本部の第一会議室へ出向いて
浮気防止の誓約書にサインし、インデックスとの交際を正式に認めた。

各国語に翻訳されたそれが報道期間によって全世界に公表され、
一連のシマウマ騒動は鎮静化した。

インデックスとの交際宣言はすぐに美琴や黒子の知ることとなったが、
反応はまともで、「当麻(様)が選んだのならそれでいい」として
二人の交際を肯定した。

また、米国製作の映画「SHIMAUMA」が世界中で大ヒットし、
後日販売された製品版のBDは、初回限定版を中心に大いに売れた。
上条は多額の報奨金を手に入れ、裕福な生活をするようになった。

彼らはシマウマとネコ。いわゆるシマネコ・カップルとして、
世界中の人々から暖かく見守られたという。


                                終わり。


762 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 18:20:33.02 ID:4zmq2KJI0

唐突に終わったな


763 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 18:21:18.65 ID:2txUeCL80

なん……だと……


770 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 18:47:59.83 ID:5B2w6emv0

急に話が終わってしまった、一体作者にどのような心境の変化があったというのだ

次は学園黙示録がみたいぞ!


777 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 21:49:47.22 ID:Pc8cc/I8P

結局佐天さん編はなかったな








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